醸造について
田河東洋男商店の醸造への想い
田河東洋男商店は、創業以来170年以上にわたり、地域に根ざした醤油や味噌の製造を続けてきました。特に味噌としょいのみについては、その原料である米こうじと麦こうじ、金山寺こうじ、それぞれを作るのに欠かせないものは100年以上前に作られた室です。
石造の室はこうじを作るための特別な部屋であり、発酵に適した室温や湿度を保つため、切り出した厚い石のブロックを積み重ねて作られています。
室内の温めは、急激な乾燥と加熱を防ぐため、お湯を通したラジエーターに送風して、室内を巡回させます。
温度と湿度の微調整は天井の2つの入排気口の木製扇の開閉の度合いで行います。各々の口には天井裏に木製のダクトがついており、入気口は短く、排気口は長くなっており、自然と空気の循環が生ずるように工夫されています。
この石室を中心とした作業は、麹作りが主になります。
例えば、米こうじ作りの場合、生米の洗米後、一晩地下水に浸し、蒸し加減は芯まで火が通るも柔らかすぎないように心が得ています。石室内での発酵も、室内の温度と湿度を真夜中でも六代目自らが2〜3時間おきに見回ります。
米こうじ作りでは、一晩ごとに発酵して少し米が固まると米が呼吸できるように、一晩ごとに手でほぐしますが、これをを2回繰り返します。
三晩目は、温度と湿度を前の晩より低くして、ムラなく熟成させます。他社では、二晩で済ませる米こうじ作りを三晩かけることで、当店の米麹はこうじ菌が作った酵素が豊富で、甘酒にすると「砂糖を入れたの?」と言われるくらい甘くなります。しかし、これは嬉しい誤解で、砂糖などの添加物は一切使用しておりません。
全て汗だくの作業となりますが、これからもその汗だくを厭わず続けていきます。
私たちの歴史